じゅころぐAR/VR

AR/VRメインのブログ。時々ドローン。

Unity2017.2.0b2のTangoサポートについて(わかったところまで)

TangoがUnityサポートされると話題になっていたUnity2017.2が既にベータリリースされているらしく、インストールして試してみました。

unity3d.com

前置き

環境構築でハマってビルドエラーが出たので、まだ実機での動作を試せていません。
他にやりたいこともあり、一旦環境を戻そうかな・・・ということで、戻す前に書き留めておこうという趣旨の記事です。

発生したビルドエラー

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Tangoを有効にするとAndroid 6.0以上を求められるので、Android SDKを上げたせいかな・・・と思いつつ、調べたらIssueも上がってて、Unity2017.1以降で起きるっぽい?

issuetracker.unity3d.com

Unity5.6に戻したら起きないのかな?ということで、この記事を書いたら戻してみる。 → 戻してもダメでした… → JDKのバージョン上げたら直った

終わらないChecking license

Unity起動時のライセンス確認の挙動がおかしくて、Checking licenseが点滅したまま、ずっと終わらない問題が起きています。Personalだから煽られているんだろうか・・・。

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仕方ないので1回サインアウトして、"sign in"しようとするも、ボタンが反応しないのでUnity再起動してサインイン・・・を毎回やる羽目になっています。

Tangoサポートの概要

ここからが本題です。

Tangoを有効にする

“Switch Platform"でビルドターゲットを"Android"にします。
"Player Settings"に"XR Settings"に"Tango Supported"の項目があるので、チェックを入れます。

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Tango SDK for Unityは、"Minimum API Level"がAndroid 4.2 (API 17)以上でビルドできますが、UnityのTangoサポートではAndroid 6.0 (API 23)以上に設定が必要で、その警告が出ています。

“Other Settings"で"Minimum API Level"をAndroid 6.0に変更すると警告が消えます。 f:id:jyuko49:20170708111826p:plain

メッシュ構成(3DR)のコンポーネントが追加されている

“Component” > “AR"にTango用のコンポーネントが2つありました。
一番上の"World Anchor"は、HoloLensで空間座標を固定するComponentだったはず。Tangoでも共通で使えたらいいなと思っていたりはします。

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Tango Mesh Reconstruction Server

ネーミングからしてメッシュ再構成を行うためのコンポーネント
正直なところ、後述の"Tango Spatial Mapper"との使い分けがわからないです。

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Tango Spatial Mapper

メッシュ構成した結果を空間マッピングするためのコンポーネント
Create Emptyして、このコンポーネントをアタッチすれば、Tango SDKの"Dynamic Mesh"みたいな動きをするんじゃないかと思っている。が、ビルドが通っていないのであくまで妄想です。

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パラメータについては、Tango SDK向けにまとめた記事で大体わかるかと。
どちらもTango_Configをラップしているはずで、大きな違いはなさそうです。

qiita.com

qiita.com

スクリプトからTangoの機能を使う

コンポーネントを見た感じ、Tango関連は上記の2つしか見当たりませんでした。
他の機能は使えないのかなと探したところ、自作スクリプトからの利用はできそうでした。

UnityEngine.XR.TangoというNameSpaceでスクリプトコンパイルが通るところまでは確認しています。

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PointCloud、AreaLearning、PoseData、ImageDataが使えそうなことは確認できました。
ただ、クラス構成はTango SDKと微妙に違う気がするので、Tango SDKのサンプルをコピーして動くかは疑問です。移行しようとなると、ちょっと面倒なことになりそう。

所感

メッシュ構成がComponentで提供されている点は良いと思います。
PointCloudの更新やメッシュ構成の速さは、Tangoの強みの一つだと思うので、Unityでサポートされることでパフォーマンスがさらに上がるならメリットは大きい。

その他の機能もスクリプトを書けば動きそうですが、ゼロからスクリプトを書いて動かすというのは、経験者からしても相当に敷居が高いです。
Unity公式のマニュアルは個人的にイマイチかなと思っていて、Tangoに関してもあまり期待していません。誰かががんばって調べてブログに上げたり、書籍化してくれるといいんですけど。

という訳で、パフォーマンスにこだわりがなければ、Googleから提供されているTango SDK for Unityを使った方がExamples、Prefabsを参考にできて開発効率は良いんじゃないですかね。
ドキュメントやコメントの充実度からしても、Tango SDKを使った方が学習しやすいと思う。

Download the Tango SDK  |  Tango  |  Google Developers

Tango SDK for UnityをIkariotikosにしたらAR Screenが映らなくなったので直した

Tango SDKをIkariotikosにアップデートしたら楽しいことになりました。
ほとんど備忘録ですが、同じところでハマる人もいそうなのでまとめておきます。

Ikariotikosって?という方へ

Tango SDKは約1ヶ月おきにアップデートされています。
バージョン番号には、Tangoにちなんで踊りの名前が付いていて、イニシャルがアルファベット順にA,B,C…と上がっていきます。 2017年6月にリリースされたバージョンが、Ikariotikosです。その前は、Hopak。

ちなみに、踊りの方のIkariotikosはこんな感じだそうです。

youtu.be

アップデートしてみた

リリースノートを見ると、1行しか書かれていません。

Tango SDK for Unity Release Notes  |  Tango  |  Google Developers

まあ、大した変更はなさそうだな。
ということで、アップデート!

・・・した結果。

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あかん!Σ(・∀・;)

直す

症状からして、前フレームでレンダリングした結果をクリアできてないんだろうなー!と推測。
AR ScreenTango Cameraが怪しいと当たりを付けます。

容疑者のTango Cameraをクリックして、Inspectorをチェック。

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Tango AR Screenは、Point Cloud Occlusion(点群による遮蔽処理)の設定しかありません。スクリプトの中身にまで手を入れたくないので、一旦スルーします。

続いて、Cameraの方を見てみると、Clear Flagsとかいう超怪しいプロパティを発見!
元々はDepth onlyになっていたところ、Solid Colorに変更したら直りました。

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ちなみに、Clear FlagsSkyboxにするとこうなります。

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デフォルトの背景がSkyboxで、Dynamic MeshができたところにだけAR Screenが映る感じですね。
ExperimentalMeshBuilderWithColorみたいな感じですが、MeshにColorが付いている訳ではなく、カメラ映像が映ります。
これはこれでどこにMeshができているかわかりやすいから、使い途あるかな?

別のバグ?

色々調べている途中で、AR Camera Post Processを有効にすると、AR Screenが映らなくなりました。

ちゃんと調べてないですが、一回アプリ中断して、再度接続すると映ったりするので謎です。
とりあえずは、無効のままでいいかな。

おわりに

今思えば、Hopakまでは毎月の上旬にはリリースされていたのに、Ikariotikosは月末ギリギリでリリースされたので、今までとサイクルが違ってたんですよね。結果として、過去のアップデートよりも影響が大きかったので、正直、大丈夫かGoogleと思いました。

あと、気付いてる人は気付いてると思いますが、サイト上にThe latest version of the Unity SDK is Ikariotikos (Version 1.54, June 2017).と書かれていて、実際ダウンロードするとファイル名がTangoSDK_Hopak_Unity5.unitypackageという状態が1週間くらい続いていました。

マジで大丈夫なのか!?Google

リリースノートもUnity SDKではなく、C SDKの方を見ると、APIがかなり増えています。

Tango SDK Release Notes  |  Tango  |  Google Developers

Bounding boxes APIとか面白そうだし、File IO for images and point cloudsには、以前自前でやったPLYファイルへのエクスポートがAPIとして用意されています。

qiita.com

まあ、Unity SDKから使えるかどうか、わかんないんだけどね。

その辺、Googleはもっとサポートすべきだと思うけど、開発のスピードに対してドキュメントやExamplesが追い付いていない気がする。現状、開発者コミュニティ頼みになっている感は否めないかな。

Tango製ARガイドアプリ「NAT」と宝探しアプリ「SEEKAR」を体験してきた

東京ビッグサイトで開催されている先端コンテンツテクノロジー展で、Tangoを使ったARガイドアプリ「NAT」宝探しゲームアプリ「SEEKAR」を体験してきました。

getar.jp

展示を行なっていたのは、ビービーメディア株式会社さん。過去にもTangoを使ったデモを公開されていて、ARどこでもドアや平面マップ表示は印象に残っています。
平面マップの機能は、NATにも実装されていましたね。

getar.jp

www.youtube.com

開発を担当されている@primevisionさんとは、Tangoに関して以前からSNS等で情報交換をさせてもらっていて、今回はじめて直接お会いしてご挨拶する機会ができました。
かなり早い段階からTangoを使ったアプリの開発をされていて、複数台での情報共有平面マップでの位置表示オリジナルのケース製作など、個人開発ではなかなか難しいようなところも試されているので、色々参考にさせて頂いています。

NATを体験しての感想

体験する前に紹介記事と動画を見た時点では、Tangoのコンセプトに沿った正統派のアプリだなという印象を受けました。
以前にブログにも書きましたが、GoogleにとってのTangoは単なるARではなく、屋内への広告・ナビゲーションのためのプラットフォームでもあり、実際に海外では博物館やショッピングセンターと連携したサービスを行なっていたりします。
そういう意味で、NATのようなARガイドアプリはTangoらしさを生かしたアプリだと思います。

で、実際に体験してみると、思っていた以上に楽しいし、よく作り込まれている!
かざすとAR表示で情報が見えるのは当たり前として、展示物に近付くと中が透けて見えたり、画面越しにタッチすると音が鳴ったりと、実際には手を触れることができない展示物にスマホ越しで触れて体験する感覚は面白いです。

平面マップの機能は、位置合わせをしたあとはモーショントラッキングで位置を取得して表示させているだけとのこと。
ちなみに、特別に裏側もちょこっとだけ見せてもらいましたが、展示する側のARコンテンツ制作者向けにも色々カスタマイズしやすいような仕組みを考えているようです。

SEEKARを体験しての感想

続いて、SEEKARです。
こちらは事前情報がなくて、現地ではじめて見たのですが、これがまたシンプルに面白い!

arguide-nat.com

最初にスマホをかざしてプレイエリアを決めると、ARで小さな町のようなコンテンツが表示されます。
その中にコインがたくさん隠れていて、スマホを近づけるとコインを取ることができます。
文章で書いたところで、面白さの半分も伝わってないと思います。

そこを何とかがんばって書いてみますが、まずスマホを近付けないとコインが取れないので、必然的に身体の動きが生まれるところが楽しさにつながっていると思います。オブジェクトに隠れて見えないコインもあるので、回り込んで探したりもしないといけません。ゲーム感覚なのでスマホをかざすことに対するストレスは全然ないです。
その上、コインの隠し場所も様々で、家の中に隠れていて壁の中まで入らないと取れないとか、動く乗り物があったりとか、創意工夫が散りばめられている感じです。

全体を通して

ブースを訪れた際、既にたくさんの方が体験されていて順番待ちという状態でした。Phab2が見える範囲だけで5台以上、説明員の方も5人以上いらっしゃって回転率はよかったと思いますが、常時埋まっていましたね。

どちらのアプリもその場ですぐに体験できて、スマホを持って歩き回っているだけで十分楽しいです。
ARの面白さを再認識できるアプリなので、機会があれば是非とも体験してみてください。

あとは、子供でも楽しめるシンプルさと遊び心がARには必要だよね!と改めて思いました。
VRは年齢制限について色々と議論になっていて明確な指針が求められていますが、モバイルARについては現状でも特に年齢を気にする必要がありません。実は、Tangoのコンセプトムービーも子供たちがARを楽しむシーンで構成されていて、子供でも楽しめるというのは、Tangoのもう一つのコンセプトなのかなと考えています。

youtu.be

そういえば…

「NAT」の名前の由来とキャラクターの名前を聞こうと思って忘れてました。
またの機会に聞いてみよ。

オマケ

本イベントは、他のブースでも色々なAR/VRを体験できるのでオススメです。
meleapさんの「HADO」、ハシラスさんの「CLOCK WALK」あたりは、体験していなくても端から見てるだけで面白い。体験者の反応が絵的に面白いというのは、興味を引く上で重要ですよね。

youtu.be

youtu.be

AIの方のブースでは、シーエスレポーターズさんも見かけましたね。Re:ゼロVR、キンプリVRで有名なGugenkaの会社です。

gugenka.jp

あと、たまたま通りかかったブースに仮面女子リーダーがいました。 仮面で顔は見えなかったけど、目元が似てるし仮面にリーダーって書いてあったから、たぶん本人?

ZenFone ARを購入しました

タイトルの通り、ZenFone ARを購入したので、Tango開発の視点で軽くレビューします。

購入のきっかけ

Lenovo Phab2 ProでTangoの開発はできていたので、購入するかどうかは迷いましたが、次のステップとしてTango2台での空間共有がやりたかったので、Phab2 Proの2台目を買うよりはZenFone ARの方が面白いかな、ということで購入を決定。

スペック上のPhab2 Proとの差異として、

  • Phab2 Proよりもメモリ/CPUが高性能
  • VRプラットフォームのDaydreamにも対応
  • Android7が標準インストー

といった点があります。その分、価格は倍くらいしますけどね。
AR/VRで色々やるにはメモリが必要になりそうなので、8GBモデルにしました。

www.amazon.co.jp

見た目

Phab2 Proと並べてみました。

Phab2 Proのデカさが際立ちます。ZenFone ARも5.7インチあるので小さい感じはしませんが、この辺は個人差もあると思います。

背面カメラ、センサーの配置も違っています。ZenFone ARの方がコンパクトにまとまっていますね。

Tangoを動かしてみる

Unityアプリ

Phab2 Proで開発、デバッグしていたクエリちゃんズ(仮)をインストールしてみました。

結果として、アプリは問題なく動作しましたが、ゲーム開始するまでに20秒くらい待たされる問題が発生してしまい、原因を調査中です。
Tangoを起動してからOnTangoPoseAvailableになるまでの処理で時間がかかっているようで、同じアプリをPhab2 Proに入れても発生しません。OSバージョンが違うからですかね?

3DRでメッシュ構成する速さや全体的なFPSは、やはりZenFone ARの方が出ている気がします。

WebARアプリ

次に、WebARを試してみました。
WebARについては、こちらを参照ください。 qiita.com

Phab2 Proではメモリ不足と思われるアプリ落ちが頻発し、ライブラリやMMDモデルのサイズによっては起動すらできませんでしたが、ZenFone ARはLoadが安定していて、Phab2 Proで表示できなかったモデルも表示できました。 ただ、アニメーションや移動を実装しようとすると、ZenFone ARでもアプリ落ちすることがあります。
この辺りは無理をせずに、ブラウザのアップデートを待ちたいと思います。

WebARでお借りしたMMDモデルはこちらです。

seiga.nicovideo.jp

3d.nicovideo.jp 3d.nicovideo.jp

アプリを動かしてみて

ちょっと、スマホ熱すぎない?

あまりの熱さに、即アプリ入れちゃいました。 play.google.com

Daydreamはゴーグルに入れるからまだいいとして、TangoのARはスマホを手で持つことが多いので、ケースを付けるなどの対策が必要かもしれません。

Daydreamは?

まだ試していません。

ホーム画面に"Daydream"のアイコンがあったので試してみようとは思ったのですが、

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お持ちでないです(まだ日本では売ってません)

ちなみに、持っていることにして先に進むと、

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何故、VRを試すのにお支払情報が必須なのか・・・。

という感じなので、Daydream Viewを入手してから試します。

ARレベルを勝手に定義して、R問題を解決する

なんとかR増えすぎ問題への個人的な対策。  

AppleがAR/VRに参入してきたついでに、XRが公式な表現になってしまい、R界隈は混迷を極めています。

blogs.unity3d.com

いよいよ宗教戦争になりそう…

私の場合、Tangoをメインで開発しているので、MRっぽいARでもGoogleに倣って単にARと言うことが多いです。ただ、そうなるとTangoじゃないARと区別ができないんですよね。
じゃあ、MRと言えばいいかというと、MRは包括的な概念だから現実とMixされていれば全部MRとか言い出す訳ね。ああ、めんどくさい。
Windows Mixed Reality

そういえば、割と最近、同じように定義が曖昧になってしまった技術用語を知っています。

その名は、自動運転

自動化の対象をどう捉えるかによって、ブレーキアシストから無人走行まで全部自動運転になっちゃったんですね。
で、どうなったかというと、自動運転レベルが定義されました。

自動運転車 - Wikipedia

完全自動運転じゃない部分的な自動化も自動運転として定義した上で、機能や技術要素が違うでしょって話。

AR/MRの話に戻すと、現実感がちょっとでも拡張されていればARで、現実と仮想がほんのちょっとでもMixされてればMRだとする。
わかった、そう主張するなら否定はしまい。ただ、どれくらい現実感が拡張されて、現実と混ざり合っているかは違うんだから、レベル分けしましょうよ

以下、私が勝手に定義したARレベルの暫定版。

レベル0

現実と全く混ざっていない。
ARじゃない普通のアプリケーション。

レベル1

現実の映像にコンテンツが重なって表示される。ただし、コンテンツが現実に固定されておらず、一方が動くとズレが生じる。

レベル2

コンテンツが現実と同じ空間に固定されている。例えば、コンテンツが平面に接地し、カメラが動いてもその場に留まって見える。
技術要素:平面推定、モーショントラッキング、空間アンカー
代表例:ARKit

レベル3

コンテンツが現実に存在する物体とリアルタイムに相互作用を起こす。例えば、コンテンツが物体の陰に隠れたり、壁にぶつかり跳ね返る。
技術要素:オクルージョン、メッシュ再構成
代表例:Tango

レベル4

視覚、聴覚、触覚が一部拡張され、仮想コンテンツとユーザ自身が同じ空間に存在しているように感じる。レベル3との違いは自分が空間の中にいる感覚。例えば、首を動かすだけで見え方が変わる、音が立体的に聞こえる。
技術要素:ホログラム表示、空間音響、ジェスチャー、ハンドトラッキング
代表例: HoloLens

レベル5

完全に拡張された拡張現実。コンテンツの現実感とユーザインターフェースが拡張された結果、現実空間に存在する仮想コンテンツの区別が付かない。

※ 代表例は2017年6月時点の機能を元にしています
 

ユーザ体験のレベルが違うことがわかっていれば、ARでもMRでも好きに呼べばいいと思います。人によってレベル3の相互作用をMRと呼んだり、レベル4の同じ空間にいる感覚をMRと呼んでいることが問題の根底。AR技術にしても、すべてを一緒くたにしてARは云々と語ると、誤解や反論を招きやすい。
VRはARとは若干アプローチが異なりますが、レベル4,5で空間そのものを仮想に置き換えた場合には、VRとオーバーラップしますね。

と、てきとうに考えた割には、結構見通しがよくなった気がする。

Tangoの現在と未来の話

2016年12月にPhab2 Proを入手してから約半年、Tangoについて溜めに溜めた知見をドバっと書きます。

Tangoとは?

get.google.com

色々なところで書いているので、簡単に。

  • Googleが開発しているARプラットフォーム
  • 対応スマートフォンが必要
  • 現実と仮想が融合したARができる

ポイントとしては、現実と仮想の融合の部分。そして、Googleが大きなビジョンを描いているというところ。

マーカレスARとの違い

Tangoは、Appleが発表したARKit、クロスプラットフォーム対応のKudan AR SDKとは、一線を画すものだと思っています。

ARKit、Kudanは単眼カメラを用いたSLAMという技術を使って、画像処理により平面推定やトラッキングを行う仕組みです。メリットとして、既に普及しているデバイスで幅広く利用できます。

対するTangoは、デプスカメラ(深度センサ)を搭載しているので、物体までの距離(PointCloud)がリアルタイムに取得できます。モーショントラッキングもIMUが使われており、ハードウェアがベースです。
これをネガティブに評価すると、「対応デバイスがないと動かない。普及するの?」となります。ですが、個人的にはポジティブな面を評価していて、「ハードウェアで処理しているので、リアルタイムで速い。デバイスの計算資源を他の処理に回せる」と捉えています。

わかりやすい例が、オクルージョンとメッシュ再構成(3DR)です。

オクルージョンの例(WebARについては後で説明)

手をかざすと、その部分だけオブジェクトが隠れます。これは、PointCloudを高速に更新できているからこその遮蔽処理で、単眼カメラではなかなか難しいと思います。

次にメッシュ再構成の例。

デプスカメラがPointCloudの取得を行なってくれる分、CPUを画像処理ではなくメッシュの構成に充てられると考えてみてください。結果として、リアルタイムにメッシュを更新できるので、その場でパッと空間検知して、現実と仮想のインタラクションを開始できます。

このあたりを活かそうという発想で開発しているのが、クエリちゃんズ(仮)です。
動画だけ見ても判断が付かないと思いますが、事前に空間をスキャンしてプレイエリアを作っている訳ではなく、リアルタイムで透過のメッシュ構成を行なっており、アプリ起動したら即ゲームをスタートできるように作っています。

ライバルはHoloLens

モバイルARとしてARKitと比較されそうなTangoですが、デバイスの形状こそ違えど、ARの機能に関してはHoloLensに近いです。

Tangoと比べた場合、HoloLensのメリットは以下だと思っています。
正直、ユーザ体験の部分では、Tangoは分が悪い。

優位性があるのはコストパフォーマンスで、HoloLensが30万オーバーなのに対し、Tangoは5-10万円で入手できます。普及の観点では、デバイスの選択肢が増えて知名度が上がれば、スマホを機種変する感覚で広がりそうな点は大きいです。

HoloLensは魅力的なデバイスではあるものの、30万円出すならもう少し・・・と感じる部分もあり、デベロッパやビジネスユーザではないエンドユーザに普及させるには1つの障壁がある気がします。性能アップした上で価格が下がって欲しいところ。
ちなみに、個人的に購入に踏み切れない一番の理由として、Win機持ってないんですよね。あと、モバイルWeb出身のエンジニアなので、モバイル分野でのWindowsの存在感の薄さも気になってしまう。

GoogleがTangoで描くビジョン

TangoはGoogleが提供しているプラットフォームなので、Tango自体が目指す方向性を理解した方が恩恵を受けられます。巨人の肩に乗るというやつ。
その中で外せないキーワードが、屋内マップの構築とAR空間での広告・ナビゲーションです。

gigazine.net

jp.techcrunch.com

getar.jp

TangoにはArea Learningという機能があり、空間の座標系と特徴点を記憶することで、オブジェクトの位置復元やデバイスの位置推定が行えます。記憶した情報はADFというファイル形式で保存でき、デバイス間で共有できます。
つまり、誰かがTangoを持って歩いた情報を共有して、そこでデバイスをかざすと自分の位置がわかります。Google I/O 2017で発表されたVPSの基礎は既にできており、『屋内のGPSという表現も非常にわかりやすいです。

このVPSを念頭に置くと、建物内の移動を想定した使い方はTangoの本質を捉えていると思います。

もう一点注目すべきなのが、こちらもGoogle I/O 2017で触れられていたWebARです。
こちらは、GET ARに寄稿した記事に現時点での情報を書いています。

getar.jp

1-2年後、TangoがAndroidスマートフォンに普及した前提で、WebARがChromeに正式サポートされることになれば、ユーザはブラウザをアップデートするだけで、Tangoを利用したサービスが受けられるようになります。
ここでいうサービスには前述の屋内ナビも含まれ、利用したユーザからArea Learningしたデータを提供してもらえば、屋内マップは新しい状態に保たれるので、ユーザとサービス提供者の間でエコシステムが完成します。

これが、GoogleがTangoで描くビジョンと想定しています。

最後に

Google Tangoに関する研究成果をまとめた動画だそうです。

www.youtube.com

リアルタイムの空間検知で物体を区別できるところまで進んでいますし、家具が消える表現の自然さはヤバいです。

なお、飛行するドローンの制御に使うという着想には私もたどり着いたので、興味があれば見てやってください。カリフォルニア工科大学には敵うはずもないですが。

qiita.com

どうでしょう、Tangoやりたくなりませんか?
クエリちゃん使いたくなりましたよね?
DOWNLOAD | クエリちゃん公式サイト

なったとしたら、布教成功です。

自己紹介

はじめまして、jyukoです。
ふと思い立って、はてなブログはじめました。 思い付きではじめたので、続けられるか不安です・・・。

最初なので、自己紹介でも書きます。

名前の由来

ブログタイトルにもありますが、「じゅこ」と読みます。現実世界で「ジュウコウ」と呼ばれることがあるので「jyuko」にしたのですが、「jyuko」ってタイプしたら「じゅこ」になるし、文字数が少ない方がエコなので「じゅこ」にします。
本名は、死刑廃止論で有名な方から取ったそうです。

略歴

  • 学生時代は新潟(長岡市新潟市)でのらりくらりと過ごす。
  • 就職時に上京。都内のとある企業でとあるサービスのモバイルサイト開発。
  • サーバサイドもやらされるやるようになり、無事フルスタック化。スマートフォン対応の波に飲まれる。
  • WebGLに興味を持ち始める。three.js、A-FrameでMMD使って遊ぶ。
  • Tango対応スマホの購入をきっかけにARの世界へ。Twitter、Qiitaはじめる。
  • けものフレンズと出会い、Tangoの得意なフレンズという現在のキャラ設定を確立。

SNSでの発言は個人の活動であり・・・以下省略。

入社した頃はHTML黎明期のホームページが作れる程度で、Webのスキルもほぼ皆無。three.jsはじめたのは4年前で、AR(とUnity)はじめたのは半年前です。意外となんとかなる。
モバイルのフロントエンドという激流に飲まれたおかげで、新しい技術に抵抗はなくなったみたい。

プログラミングは割とできますが、デザイン、モデリングのスキルは無いです。できる人たちは凄いなと思う。

どうでもいいですが、アルパカ・スリ推しです。あと、トキは新潟の県鳥なので親近感があります。リアルでは、ザ・ワールド状態のカピバラを眺めるのが好き。

肩書

  • なんちゃってWebエンジニア
  • アルビレックス新潟サポーター
  • クエリちゃんファンクラブ会員
  • Tangoが得意なフレンズ

活動予定

Twitter、Qiitaでの発信は続けていくつもり。ここ(はてなブログ)では、純粋な技術ネタよりも駄文やポエムのウエイトが増える可能性があります。読書とゲームも好きなので、書評とかレビューも書きたいな。

今はあくまで趣味の域ですが、Tangoがもう少し普及したらアプリ出したいなとは思ってる。クエリちゃんズ(仮)のUI作り込んだバージョンとか。

あとは、ミニドローンをNode.jsで動かしたり、WebでMMDを表示する遊びもしてます。
こっちは完全に趣味ですね。QiitaではTangoよりも人気ですけど・・・。

qiita.com

qiita.com

qiita.com

qiita.com

という訳で、どうぞよろしく。